なんか舞台装置？セット？がすごかったモリステ2の話
私は原作のオタクではない。出演者のオタクでもない。舞台のセットに詳しい人でもない。
ただのしがない、ちょっとだけ北村諒の顔が好きな和田雅成の茶の間みてぇなモンである。
故に、知識が全くない。知識が無ければ考察も出来ない。
よって、ネタバレを喋っては「めちゃ良かった…」しか言わない感想文である。
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事の発端
先日、モリステがYouTube配信されると言うので、無料という言葉に引きずられて野次馬根性で覗いた。ジャニーズにも言える事だが、舞台界隈も、お試しで覗くための初期投資が高い。
一万円辺りをゆらゆらしてるチケット代はともかく、追加でFCに入らなくちゃだったり、前作のDVD予約が次作とかイベントの抽選券だったりする。
コロナ禍の影響で、配信も増えてきてるけども。
「数時間、生で推しとの時間が手に入るんだぞ！？」とか「稽古期間は給料が出ずにうんぬん…」とかは知らん。高い。ごめん。
モリステのサイトであらすじと配役だけさらっと見て、「まっきーときたむーかぁ～」で見た。
で、その結果、しっかり脳をグワングワンにされた。
2週間くらいずっと、外国のファンの方が耳コピしたモリステのテーマをYouTubeで連続再生するくらいに。
まず、イギリス紳士達のスーツ姿がめちゃ端麗。
次に、話の切れ間に出てくる女性ダンサーさんの衣装がどれも可愛い。スカートがふわっと舞って。
で、ストーリー（後述）がめちゃめちゃオタクに刺さる。「なかなか成敗されない巨大悪」なんて、私何回中丸さんにやってほしいって言いました？
さらに、スポットライト多用。私は緑色のレーザーが一番好きだが、スポットライトが空間に直線を作ってるのも大好き。カッコ良い。
極めつけに、なんか舞台に置いてある階段とか、みんなで囲んでる食卓とかが回転したり移動したりするのに目を奪われた。普通動かないじゃん。
ダメ押しで、きたむーのシャーロックホームズが煙草の煙を吐いた光景、絵画すぎて。美しいって事は60億年前から知ってましたが……！！
抗うのは諦めて静かにチケットを取りました。
モリステなうです
— しゃとる (@shatorai125) 2021年7月31日
ライティングが大好きすぎて延々と噛み締めている
音圧と顔面偏差値圧
そもそもストーリーが中丸担垂涎もの
「憂国のモリアーティ」めちゃめちゃ簡単に言うと、犯罪貴族モリアーティ家の犯罪をシャーロックホームズが解決してく話なのね。イギリスの貴族庶民格差社会で。
モリアーティ3兄弟の方が主人公ね。
でも、モリアーティ家はプランがあって、
1：庶民から貴族への復讐殺人とかを受託
2：殺された貴族の罪をシャーロックホームズが暴く(ように仕向ける)(暴かせる)
3：これをめちゃめちゃやる
4：庶民「悪行ばっかりの貴族死ね！」貴族「最近の貴族殺しの首謀は誰だ！」のタイミングで「俺らです」と名乗り出る
5：貴族と庶民が団結して「貴族め！」「犯罪者め！」とモリアーティ家を処刑する
6：この団結で、身分とか格差社会をおしまいに出来る！？
という事で、彼らのゴールは身分社会を終わらせる事なのよ。
身分社会を終わらせるために、シャーロックホームズの頭を使ってる構図。
で、漫画とかアニメとかミュージカルがどこまで進んでるのかは分からないけど、舞台は「3：これをめちゃめちゃやる」の段階。
(シャーロックホームズが薄々「モリアーティ家がやってる気がするし、操られてる気がするけど証拠が無い！！」状態になってきている)
めっちゃ良くないですか！？！？
義賊が街を巻き込んで緩やかに計画的に自殺してる、自分の滅びるタイミングですら計画通りだと笑える訳ですよ！？？
刑事ドラマでも「状況証拠ばっかりで推論語られても…」とのらりくらりする犯人とか、最終的に自殺するプランで連続殺人してるタイプの回とか、やたら美しさにこだわる研究者とかが好きでして。
中丸担、大体主人公刑事を手のひらでコロコロしてる役、好きでしょ！？
成敗されないヒール役が欲しいし、いつだって自分のルールを持ったサイコパス役を待ち望んでるでしょ！？
いや、このモリアーティのウィルくん役をしてほしいとは言わないよさすがに。
配役されたらそれは違うかなと思うけど、こういう系の役が欲しいよね……と心底思ってる。
感想～セットの話～
7/31のお昼にお邪魔したんだけど、配信されてる回なので多分日替わりレポは転がってる…。金髪2人を「スーパーサイヤ人」呼びされて、後ろ向いて笑ってたシャーロックとか。
「出番がないばーと新聞お兄さん」とか。
長いマイクトラブルを地声で乗り切った後「任務、何事も無かったかい？」みたいなセリフに「あぁ何事も！！！無かったぜ」と返したモランとか。(配信でも会場でもはっきり聞こえててすごかったです)
という事で、セットの話を書く。
言葉で伝わらないので、なけなしの図解で石畳と石の柱を想像してほしい。
低い石柱に腕を置いて寄りかかってるシャーロック、非常に絵になってた。
んで、回転台、えげつなく回転してた。
OPというか本編入るまでで、3周4周メリーゴーランドの速さで連続稼働してたし、本編でも。
斜めで静止したり、端に登場人物立たせてぐるぐる回しながら対話させたり、360°が表でカッコ良い。
1で、人を乗せて舞台上をぬるぬる動く階段がお気に入りだったので、生で見れてテンション上がった。
で、その舞台装置がですよ。さらに七変化してくぜ！！
柵を付ければ牢屋になり、ふすまを閉めれば登場人物が登場しては消え、路地になり、駅のホームになり、椅子置けば電車内になり……。
めっちゃすげー！って思った事1
電車内のシーン、下で主要人物がストーリー進めてる時に、上の段で乗客が新聞畳んで出て行ったり空いた座席に座り直したりしてた事。
ドラマだと、物語の合間に月で時間経過を示したり、レインボーブリッジ映して場所表したりするじゃないですか。
「運行中の電車なう」をストーリーと同時に2画面で見せてるの、面白いなぁって思った。
映画も漫画も、会話中は大体ピンショットだし、画角の違う2つを同時上映出来るのって舞台ならではなのかもしれないよね。
めっちゃすげー！って思った事2
馬車！！！！馬車が馬車なんだよ！！！
図解で伝わってほしい、階段の上に人が立ってシャーロックとジョンが座ったら、完全に馬車なの！！！
天才じゃね！？！！？
一点透視遠近法みたいなヤツで後ろに吸い込まれてくスクリーン背景の街並みと、舞台装置の石柱のそれぞれのサイズが、平面に奥行を生み出してて大興奮した。
スクリーンも平面だし、石柱も真横に並んでるのに奥行きが出来てて。
すごい、すごくすごかったです。
見に来て良かったなぁって思った。
メンカラ(メンカラ！？)多分モリアーティ側…というかウィルくんが赤で、シャーロックが青らしくて。
2人の対比構図の時、度々赤と青の照明がバチーンピシャーンとキマッててカッコ良かったです。
あと、スポットライトもちゃんとありました。ありがとう。
スモークでライトの直線がよく見えるのがめっちゃ良いのよ。
感想～キャラとか～
アクターズリーグの後だったので、双眼鏡を構えれば視界は上半身オンリーみたいな近さ、最高～～～めっちゃ面白かったのが、ウィルくんが黒装束？マント？で出てきた瞬間周りのオタクが一斉に双眼鏡掲げてて。
いや、いいんだよ、私もいつもは観客気にしないし、周りの目気にしてる場合じゃないし。
ただ、あまりにも動きが揃ってて、笑いそうになっちゃった。
確かにあの時しか出てこなかったから、レア衣装だったんだろうね、黒装束。
まあ、私はシャーロックが煙草を持つ度に双眼鏡を構えるオタクでしたが。
幾度となく、手を見て顔見て煙綺麗…を繰り返しましたが。
煙草と、あと銃。
銃～～～…銃持ったシャーロックのお写真くれ…。
錯乱発作の銃乱射というオタク大好きコンテンツが突如挟まって、動揺してる間に終わってしまった事だけが心残り…。
あれは…次作は病状悪化しますか？伏線みたいな事になりますか？（シャーロックホームズのWiki見に行って「薬物中毒」の記述を確認した人）
シャーロックが「まつりあげられ男」になってくシーンも含めて好きでした。
1でなんとなく察してたけど、ルイスくん、メンヘラ混じってる？？？
同等の頭脳で言葉遊びを楽しむウィルくんとシャーロックのやりとり、に対して、あいつ用無しになったら俺が殺したる…！！と繰り返す三男ルイスくん……。
常にウィル兄の一番そばに居ておきたい、忠臣みたいな重めの志を感じた。
ルイスくんに頑張ってほしい。どう頑張っても無理そうだけども。
ウィルくんが左側で事件を推理している時に、ふすまが移動して右側に事件当時再現シーンというか回想が出てきて、めっちゃ良いふすまの使い方やんけ…！と思った。
ふすま、物理的な扉や壁にとどまらず、空間遮断にも良い装置でした。
一番心に残った装置、ふすまと馬車。
シャーロックとジョンが酒場のカウンターで仲直りしてるシーン、終わると同時に回転してウィルくんが壁にもたれかかってる姿が現れるの、この、この回転台利用方法熟知職人め…。
舞台の使い方って誰が考えるんですか？脚本の方ですか？監督さんですか？
めっちゃ絵面が綺麗で、度肝抜かれた。
まとめ
セットとか舞台装置が動くの、自分が思っていた以上にめっちゃワクワクした～！！包まれるというより音圧で吹き飛びそうなくらい音響が大きかったけど、会場ってこんなに音デカいんだっけね。
状況にもよりますが今のところ、3があるなら他の予定差し置いて最優先で観たいな。
